類型詳細検討

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 このページでは略取・誘拐罪の各類型について具体的にみていくこととします。まず、刑法224条の未成年者略取・誘拐罪についてです。未成年者を略取及び誘拐した場合には、3月以上7年以下の懲役になります。未遂も処罰されます(刑法228条)。そして本罪は親告罪(刑法229条)となっています。親告罪とは、被害者等の処罰を求める意思表示(告訴といいます。)がなければ、公訴提起することができない犯罪のことをいいます。当然のことですが、未成年者とは20歳未満の者をいい、一人では動くことのできない生まれたばかりの赤ん坊なども含みます。

 次に、刑法225条の営利目的等略取・誘拐罪についてです。営利目的等となっているように、営利目的だけでなく、わいせつ目的、結婚目的、生命もしくは身体に対する加害の目的で略取・誘拐した場合もこの規定により処罰されます。例えばストーカーが想いをこじらせて女性を連れ去った場合などがあたります。この場合には、1年以上10年以下の懲役になります。未遂も処罰されます(刑法228条)。そして本罪はわいせつ又は結婚目的の場合に限り親告罪となっています。なお、被害者が未成年者でもあった場合には、未成年者略取誘拐ではなく、本罪が成立することとなります。

 そして、刑法225条の2の身代金目的略取・誘拐罪についてですが、イメージ通り身代金をもらう目的での略取・誘拐罪で、無期又は3年以上の懲役と、最も重い罪になっています。未遂だけではなく、予備罪も処罰の対象となっています(予備とは準備をしていた段階のようなものだと思ってください。)。

 最後に、刑法226条の所在国外移送目的略取・誘拐罪についてです。その名の通り、国外に連れ出す目的で誘拐等をした場合で、2年以上の懲役となっています。未遂も処罰されます。

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