刑法での規定

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 まず、略取・誘拐について刑法でどのように規定されているか確認してみます。刑法では、第33章に略取、誘拐及び人身売買の罪と規定し、224条から229条に関連する規定が置かれています。略取及び誘拐に関して、刑法で犯罪とされているのは、未成年者を略取及び誘拐した場合(刑法224条)、営利目的等で略取及び誘拐した場合(刑法225条)、身の代金目的で略取及び誘拐した場合(刑法225条の2)、所在国外に移送目的で略取及び誘拐した場合(刑法226条)だけです。略取とは、暴行又は脅迫を手段として人を自己の支配下に置くことをいい、誘拐とは、欺罔又は誘惑を手段として人を自己の支配下に置くことをいいます。前者は殴ったり脅したりして無理やり連れ去ったような場合で、後者は家族が事故にあったなどと嘘をついて連れ去ったような場合が典型例です。刑法では、単純に成年を誘拐した場合には、犯罪とはしていません。必ず対象が未成年者であったり、なんらかの不正な目的があることを要求しています。これは略取誘拐が被害者の行動の自由の侵害のみに着目しているわけではなく、守るべきものとして被害者の安全も重視していることなどを原因とするのだと思われます。

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